いちばん苦手な作業といってもいいファスナー付について、この記事で細かく見ていきたいと思います。
はじめに
私はファスナーをつけるのが下手です。
つけたはいいが、生地がつれてしまったり、
ところどころ表側から見てめだってしまったりと
気に入らない状態となってしまい、何度もなんどもほどいてやりなおすことを繰り返してきました。
私と同じようにファスナーを苦手とする方はきっと多くいらっしゃると思います。
この記事では、右往左往しながら習得したポイントなどを書いています。ぜひご一読くださいね。
ファスナーづけに必要な道具
こちらの記事、[ 道具 ] ミシンの作業でつかうアイテムでも一部を紹介しています。
(1)コンシール押さえ
ミシンに取り付けるアタッチメントです。
コンシールファスナー(ファスナー)取りつけ専用のアタッチメントで、私のミシンには購入時についていませんでした。ですので、あらためて別に購入する必要がありました。いろいろな会社からコンシール押さえは売られていますが「家庭用」と書かれているものであればほぼすべて取りつけることが可能です。
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『家庭用ファスナー押さえ』 高品質ミシンアタッチメント |
ファスナーづけの作業では、ファスナーの歯の部分が生地より高い(厚みがある)位置にあるのでふつうのミシン押さえでは、ガタガタと浮いてしまい縫うのが難しいです。またプラスチックや金属のファスナーの歯が、ふつうのミシン押さえではツルツルすべります。
高いものではないのでお持ちでなければぜひご購入ください。コツは必要ですが、すいすいラクに縫えます。
(2)しつけ糸
しつけ糸を使って、手縫いでファスナーを仮に固定します。
(3)目打ち または リッパー
しつけ糸をほどいたり、荒ミシンで仮止めした糸をほどくのに使います。
(4)伸び止めテープ
ファスナーをつける部分をしっかりさせるために、伸び止めテープを縫い代の裏側に貼ります。
ファスナーの長さにあわせてファスナー止まりを引き直す
「56cmのファスナー」と書かれていることが多いですが、実際は45cmくらいでも十分だったりします。ネックポイントからの背丈の長さにもよりますが、本に書かれているファスナーの長さでなくても良いことがよくあります。
まず、スライダーを引きあげてファスナーを閉じた状態にします。
後ろ身頃の左右をあわせ、ずれないようにマチ針で固定しておきます。
次に、衿ぐりの後ろ中心から5mm程度(縫い代は含まない)下のところにスライダーの金具のいちばん上がくるようにマチ針で止めていきます。
ファスナー止まりの金具より3cmくらい上に、ファスナー止まりの線を引き入れます。ファスナーに書き込むだけではなく、縫い代(裏側)にも書き込みます。
後ろ中心や右脇を縫う
作業1 ふつうに縫いあわせる
ファスナー止まりから裾にかけて下方向に縫います。通常の線縫いステッチを使い、ファスナー止まり部分は返し縫いにします。
作業2 粗ミシンで仮固定する
ファスナー止まりからネックポイントにかけて上方向に縫います。ミシンの線縫いでいちばん大きな目のステッチを使い縫います。返し縫いは不要です。縫い代も縫います。
作業3 アイロンする
- POINT:アイロン接着伸び止めテープをファスナーを取りつける部分の縫い代(裏面)にはる。
縫い代を割りアイロンで整える。
コンシールファスナーを仮縫いする
再度、衿ぐりの後ろ中心から5mm程度(縫い代は含まない)下のところにスライダーの金具のいちばん上がくるようにファスナーを当てます。パタパタしているファスナーの端2つをマチ針で固定します。ファスナー中心のレールを後ろ中心線にあわせて少しずつていねいに、縫い代とファスナーをマチ針で固定していきます。
縫い代とファスナーのレールのキワキワのところをしつけ糸でしつけます。
- POINT:このとき表布まで縫ってしまわないように、縫い代と表布の間に型紙やハガキなどを差し込む。
- POINT:しつけ糸の方法でもズレたり合わなくなったりする場合は、接着材のみでできているアイロン両面接着テープでファスナーをつけてしまいます。ただしこの場合、失敗しても修正が利かなくなります。ですが、ほぼ失敗することはないです。もちろんこの方法でも、ミシンで本縫いします。
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バイリーン アイロン両面接着テープ 5mm |
本縫いの前に荒ミシンをほどく
表側から粗ミシンの糸をほどきます。ファスナーのスライダーを下まで(端まで)さげます。
ファスナーを本縫いする
アタッチメントを変更する
ミシンから今ついているアタッチ面をを外し、コンシール押さえを取りつけます。
レールぎりぎりのところを縫う
ファスナーレールの溝にあわせて(沿わせて)上からミシンをかけていきます。できる限りキワキワのところを縫うのがいいです。
- POINT:可能な限りファスナーのパタパタも縫いあわせます。
レールがくるりと曲がって浮いてくるようであれば目打ちを使って押さえます。
あき止り(スライダーまであと3cmのところ)まで来たらレールを縫うのを終了としますので返し縫いをしてください。
もう片方も同様に作業し、同じ場所で返し縫いをしてミシン作業を終わりとします。
金具を動かす
もともとレール止めの金具は緩めにくっついています。金具はペンチでなくとも、たいてい指で動かせたりします。返し縫いした場所まで止め金具を動かし、ハサミで挟んでしっかりと、ぎゅっぎゅと固定します。
これで、ファスナー付作業は終わりです。
おわりに
ファスナーのテープ部分がパタパタする場合は、レール横のキワの線と平行に、もう1本線縫いを入れます。
これでもダメだ、という場合はご連絡ください。もう少し作業を細かく見つめ直したいと思います。。。